家計の不満は、夫婦ゲンカの火種になる
夫婦の言い争いの原因は、浮気や性格の不一致だけではない。お金の使い方が、静かに関係をむしばんでいることがある。
「何にいくら使っているのか分からない」「相手が使いすぎている気がする」。こうした不信感は、家計の全体像を夫婦で共有していないことから生まれやすい。
家計を見直すのは、節約のためだけではない。夫婦が同じ数字を見るための作業でもある。離婚を考えている場合でも、財産の全体像を把握する作業として役に立つ(離婚時のお金の基本は離婚とお金の記事で解説している)。
見直しの順番:変えやすい固定費から
支出は、毎月ほぼ同じ額が出ていく「固定費」と、月ごとに変わる「変動費」に分かれる。効果が長続きするのは、一度見直せば続く固定費である。
目安として、次の順に見ていくとよい。
| 順番 | 項目 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1 | 通信費 | スマホとインターネット回線の料金。家族の契約をまとめられないか |
| 2 | 保険料 | 内容が今の家族構成に合っているか。重複していないか |
| 3 | 光熱費 | 電気・ガスの契約。契約の見直しで下がる場合がある |
| 4 | 住居費 | ローン・家賃の負担が収入に対して重すぎないか |
| 5 | サブスク等 | 使っていない月額サービスはないか |
1. 通信費
スマホとインターネット回線は、契約したまま見直していない家庭が多い。
インターネット回線は、住んでいる地域で使えるサービスが決まる。提供エリアの確認と、契約期間・解約金の有無を、申し込み前に必ず確認する。
2. 保険料
保険は、結婚・出産・住宅購入などで必要な保障が変わる。加入時のまま放置していると、保障が過剰だったり、足りなかったりする。
保険会社に直接聞くと、自社商品の説明が中心になる。複数の商品を扱う窓口なら、比較の視点で相談できる。相談は無料のサービスが多いが、加入を急かされた場合は、その場で決めず持ち帰ってよい。
3. 光熱費
電気・ガスは、契約先を変えられる。ただし、料金が変動する仕組みや、解約時の条件は事業者ごとに異なる。単に「安い」という広告だけで決めず、料金体系を確認する。
4. 住居費
家賃やローンは、変えにくい。ただし、離婚や別居を含めて将来の住まいを考えるときは、住居費が収入の何割かを把握しておく。
5. サブスク等
使っていない月額サービスを解約するだけでも、固定費は下がる。これは今日からできる。
家計健康度チェック(10項目)
次の項目に、当てはまるものを数えてほしい。結果は目安であり、診断ではない。
- 夫婦で、毎月の手取り収入の合計を言える
- 毎月の固定費の合計を言える
- 預貯金の合計額を言える
- ローン・借入金の残高を言える
- 加入している保険の内容を説明できる
- 毎月、貯蓄に回す額が決まっている
- 急な出費(病気・失業など)に、生活費の3か月分以上備えている
- 夫婦のどちらかが、相手に内緒の借入れや契約をしていない
- お金の使い方について、夫婦で月に1回は話す機会がある
- 家計について、相手を責めずに話せる
結果の見方
- 8〜10個:家計の全体像が共有できている。固定費の見直しで、さらに余裕が出る可能性がある。
- 5〜7個:大枠は把握できているが、抜けている部分がある。当てはまらなかった項目から手をつけたい。
- 0〜4個:家計の全体像が見えていない。まず、収入・支出・預貯金・ローンの4点を書き出す。
- 特に8番が当てはまらない場合(内緒の借入れなど)は、夫婦の問題としてだけでなく、債務の問題でもある。放置せず、公的な窓口や専門家に相談してほしい。
※この診断は、後日、サイト内の診断テスト(家計健康度)として公開する予定である。
夫婦で話すときのコツ
- 相手の使い方ではなく、数字を見る。家計簿アプリや通帳のコピーを、2人で見る。
- 責める言葉を避ける。「どうして使ったのか」ではなく、「今月は何にいくら使ったか」を確認する。
- ゴールを決める。貯蓄額、返済終了の時期など、2人の目標を先に決める。
話し合いが感情的になりやすい場合は、第三者(家計の相談窓口など)を入れるのも一案である。
相談先
- お住まいの市区町村の相談窓口:家計や生活の困りごとの相談に応じてくれる自治体もある。
- 法テラス:借入れ・債務の問題の相談先案内を受けられる。
- ファイナンシャルプランナー(FP):家計全体の相談。有料・無料のサービスがある。
まとめ
- 家計の不透明さは、夫婦の不信感につながりやすい。
- 見直しは、効果の続く固定費から。通信費→保険料→光熱費→住居費の順に。
- 保険や回線は、申し込み前に、条件(エリア・期間・解約金・加入を急かされないか)を確認する。
- 夫婦の話し合いは、相手の使い方ではなく、数字を見る。
※本記事は一般的な情報であり、個別の金融・保険商品を推奨するものではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。