投稿者: w_master

  • 光回線・スマホの乗り換えで気をつけること|エリア・解約金・キャッシュバックの落とし穴

    通信費は、固定費の中でも見直しやすい

    家計の固定費のうち、通信費(スマホとインターネット回線)は、契約を変えるだけで、毎月の支出が変わる可能性がある。一度手続きをすれば、効果が続く。

    しかし、乗り換えは、条件を確認せずに申し込むと、かえって損をすることがある。特に、次の4つは、申し込む前に必ず確認してほしい。

    1. 住んでいる地域で、使えるのか(提供エリア)

    光回線は、住所によって、使えるサービスが決まる。広告で「おすすめ」と書かれていても、お住まいの地域が提供エリア外なら、申し込めない。

    • 住所(建物名・部屋番号まで)で、エリアを確認する
    • 集合住宅は、建物の設備によって、使えるプランが変わる
    • 工事が必要な場合、工事日が決まるまでに時間がかかることがある

    2. 今の契約の「解約金・違約金」と「残っている工事費」

    乗り換えでは、今の契約を解約する費用がかかる場合がある。

    • 契約期間の途中で解約すると、解約金(違約金)が発生する契約がある
    • 工事費を分割で払っている場合、解約すると、残りの工事費が一括で請求されることがある
    • 解約のタイミングによって、費用が変わる契約がある(更新月など)

    今の契約書か、契約会社のマイページで、解約金と更新月を確認する。確認せずに乗り換えると、キャッシュバックより、解約費用の方が大きくなることもある。

    3. キャッシュバックの「受け取り条件」

    「キャッシュバック」が大きく書かれた広告は多い。しかし、受け取るためには、条件がある。

    • 申請の手続きが必要な場合がある。手続きを忘れると、受け取れない。
    • 受け取れる時期が、開通から数か月後の場合がある。
    • オプション契約(有料サービス)への加入が、条件になっていることがある。
    • 申込みの窓口によって、キャンペーンの内容が違う。

    金額だけでなく、「いつ・どうやって受け取るのか」と「条件」を、申し込み前に確認する。

    4. 契約期間と、毎月の総額

    「月額が安い」という表示は、期間限定の割引を含んでいることがある。

    • 割引が終わった後の、通常の月額を確認する
    • 契約期間(2年など)と、その後の更新の条件を確認する
    • スマホとのセット割引がある場合、スマホの契約が条件になる

    夫婦や家族でスマホの会社が違う場合は、セット割引が使えるかも、乗り換え前に確認する。

    回線の種類を選ぶ:工事が必要なものと、不要なもの

    種類 特徴 注意点
    光回線(auひかり など) 安定しやすく、利用が多い家庭向き 工事が必要。エリア外では使えない。
    工事不要のWi-Fi(SoftbankAir など) コンセントに挿して使う。引っ越しにも持ち運びやすい 電波状況や環境で、速度が変わる

    どちらが向くかは、家族の人数、使い方(動画・オンライン会議・ゲームなど)、住まいの環境で変わる。賃貸で工事の許可が取れない場合は、工事不要のタイプが選択肢になる。

    乗り換えの手順

    1. 今の契約の、解約金・更新月・残っている工事費を確認する
    2. 住所で、提供エリアを確認する
    3. 月額(割引後の通常額)・契約期間・キャッシュバックの条件を確認する
    4. 申し込む(新しい回線の開通日を確認する)
    5. 新しい回線が使えるようになってから、古い回線を解約する(つながらない期間をつくらない)
    6. キャッシュバックの申請手続きを、忘れずに行う

    離婚や別居、引越しを考えているとき

    離婚や別居で引越しをする場合は、回線の契約も見直す機会になる。

    • 引越し先で使えるか(エリア・工事)を、先に確認する
    • 契約者が誰かを確認する(名義の変更が必要な場合がある)
    • 新居の開通に時間がかかるため、引越しの日程が決まったら、早めに手配する

    家計全体の見直しの順番は、夫婦で固定費を見直す順番と、家計健康度チェックで整理している。

    まとめ

    • 光回線は、住所によって使えるサービスが決まる。申し込み前に、エリアを確認する。
    • 乗り換えでは、今の契約の解約金・残っている工事費を確認する。
    • キャッシュバックは、受け取りの条件・時期・手続きを確認する。
    • 割引後の通常の月額と、契約期間を確認する。
    • 新しい回線が使えるようになってから、古い回線を解約する。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別のサービスを推奨するものではありません。料金やキャンペーンは変更されることがあります。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 住宅ローンが残る家は、離婚するとどうなる?売却・名義・オーバーローンの考え方

    離婚しても、住宅ローンの返済義務は自動では消えない

    離婚して、夫婦の関係が終わっても、金融機関との住宅ローンの契約は、そのまま続く。

    ローンの名義が夫のみなら、離婚後も返済義務は夫にある。夫婦で連帯債務にしていたり、一方が連帯保証人になっていたりすれば、離婚しても、その責任は残る。「家は妻が住み続けて、ローンは夫が払う」と話し合いで決めても、金融機関に対しては、契約どおりの責任が続く。

    離婚の話し合いで、いちばん揉めやすく、後から困りやすいのが、住宅ローンが残る家の扱いである。

    1. まず確認する3つの数字と書類

    確認すること 見る書類
    家の名義(誰の持ち物か)と、抵当権の設定 登記事項証明書(法務局で取得できる)
    ローンの残高、返済額、名義人(連帯債務・連帯保証を含む) ローンの返済予定表、残高証明書、契約書
    家の価値(いくらで売れそうか) 不動産会社の査定書

    家の価値からローンの残高を引いた額が、実質的な財産になる。

    • 売却額 > ローン残高:アンダーローン。差額が手元に残る。
    • 売却額 < ローン残高:オーバーローン。差額を、自己資金などで返済しないと、抵当権を外して売ることが難しい。

    財産分与で分けるのは、家そのものではなく、ローンを差し引いた後の価値である(婚姻中に築いた財産として、民法768条3項に基づき、寄与の程度などを考慮して定められる)。

    2. 4つの選択肢

    ① 売却して、ローンを清算する

    家を売って、ローンを返済し、残ったお金を分ける方法である。

    • 利点:ローンの責任から解放される。分け方が明確。
    • 注意点:オーバーローンだと、不足分の用意が必要。売却に時間がかかることがある。

    ② 一方が住み続ける

    どちらかが、そのまま住み続ける方法である。

    • 利点:子どもの転校・転居を避けられる。
    • 注意点:ローンの名義人と、住む人が違うと、トラブルになりやすい。名義人が払えなくなると、住み続けることが難しくなる。ローンの借り換え・名義変更・連帯保証の解除は、金融機関の承諾が必要で、収入や審査の結果で認められないことがある。

    ③ 賃貸に出す

    住まずに、貸して家賃でローンを返す方法である。

    • 注意点:住宅ローンは、居住用を前提にした契約が多く、契約で賃貸が制限されている場合がある。金融機関への確認が必要。

    ④ 当面は現状を維持する

    離婚後も、しばらくそのままにする方法である。

    • 注意点:問題を先送りにするだけで、共有名義のままだと、後から売却や処分に双方の同意が必要になる。

    3. 話し合いの前に、整理しておくこと

    1. 家の名義と、ローンの名義人・連帯保証人を確認する
    2. ローンの残高と、毎月の返済額を確認する
    3. 複数の不動産会社に、査定を依頼して、価値を知る
    4. 頭金に、親からの援助など、一方の特有の資金が入っていないか確認する
    5. 離婚後に、誰がどこに住むのか、子どもの学校や通勤を踏まえて考える
    6. 別居後の生活費と、ローンの返済を、どう負担するかを決める

    4. 査定を取るときの注意

    売却を検討するときの、最初の一歩は、査定である。複数社に依頼すると、価格の幅や、担当者の対応を比較できる。

    注意が3つある。

    • 査定は、売却を決める前でも依頼できる。 査定を取ったからといって、売る義務は生じない。
    • 相手の名義の家を、相手に無断で査定に出さない。 査定の申し込みは、所有者(名義人)またはそのご親族を対象にしているサービスが多い。
    • 対象エリアが決まっているサービスがある。 申し込み前に、公式サイトで確認すること。

    5. 相談先

    • 弁護士・法テラス: 財産分与の対象、評価の考え方、連帯債務・連帯保証の整理。
    • ローンを借りている金融機関: 借り換え、名義変更、連帯保証の解除の可否。
    • 不動産会社(複数): 査定、売却の方法、期間の見込み。
    • 司法書士: 登記(名義変更)の手続き。

    まとめ

    • 離婚しても、住宅ローンの返済義務は、自動では消えない。連帯債務・連帯保証の責任も残る。
    • まず、名義・ローン残高・家の価値の3つを確認する。
    • 売却額がローン残高を下回る(オーバーローン)と、売却に不足分の用意が必要になる。
    • 選択肢は、売却・一方が住み続ける・賃貸・現状維持の4つ。それぞれ注意点がある。
    • 査定は、売却を決める前でも取れる。ただし、名義人本人(またはご親族)の依頼が前提のサービスが多い。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の事案への助言ではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 離婚前に見直したい保険の名義・受取人|解約返戻金は財産分与の対象になる

    離婚しても、保険の「受取人」は自動では変わらない

    離婚が成立しても、保険の受取人の指定が、自動的に書き換わるとは限らない。受取人を誰にするかは、契約者が保険会社に意思表示をして決めるものだからである(保険法43条)。

    たとえば、夫が契約者・被保険者で、受取人が妻になっている死亡保険がある。離婚後も、契約が続いている限り、受取人の欄は、そのまま残っていることが多い。続柄(「妻」など)で受取人を指定している契約では、離婚後の扱いが、保険会社の約款や契約内容によって異なる場合がある。

    離婚を考え始めたら、保険の名義と受取人は、早めに確認しておく項目の一つである。

    出典: 保険法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000056)、民法(同 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)。2026年10月15日確認。

    1. 確認する3つの役割

    保険には3つの役割がある。

    役割 内容 離婚時に問題になること
    契約者 保険料を払い、契約を変更・解約できる 離婚後も、誰が払い続けるのか。解約や名義変更をするのは誰か
    被保険者 保障の対象になる人 離婚後も、その人の保障を続ける必要があるか
    受取人 保険金・給付金を受け取る人 離婚後も、元配偶者を受取人のままにするか

    学資保険では、契約者が親、被保険者が子どもで、受取人が親になっていることが多い。離婚で、子どもの養育を主に担う人が変わる場合は、契約者の変更も含めて確認が必要になる。

    2. 解約返戻金は、財産分与の対象になり得る

    保険の中には、解約したときに解約返戻金が戻るものがある。終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険などである。掛け捨ての保険は、解約返戻金がないか、少ないことが多い。

    婚姻中に払った保険料で積み上がった解約返戻金は、婚姻中に築いた財産として、財産分与の対象になり得る。

    財産分与では、家庭裁判所は、婚姻中に取得・維持した財産の額や、それぞれの寄与の程度などを考慮する。そして、寄与の程度が異なることが明らかでなければ、等しいものとして扱われる(民法768条3項)。

    解約返戻金を、いくらとして評価するか、分与の対象とするかは、事案によって異なる。保険会社に、現時点の解約返戻金の額を問い合わせて、数字を確認しておくとよい。

    3. 受取人を変える手続きの基本

    受取人の変更には、次のルールがある。

    • 受取人の変更は、保険契約者が、保険事故が起きる前に行う(保険法43条1項)。
    • 変更は、保険会社への意思表示によって行う(同条2項)。
    • 死亡保険の受取人の変更は、被保険者の同意がなければ効力を生じない(同45条)。

    たとえば、夫が契約者、妻が被保険者の死亡保険の受取人を、夫が変更する場合は、被保険者である妻の同意が要る。

    傷害疾病定額保険(医療保険など)の場合は、別の規定がある(同74条)。契約の種類によって扱いが違うため、手続きは保険会社に確認すること。

    4. 話し合いの前に、やってはいけないこと

    • 勝手な解約: 解約返戻金は、財産分与の対象になり得る財産である。話し合いの途中で、一方的に解約すると、後で大きなトラブルになりやすい。
    • 勝手な受取人の変更: 契約者が単独でできる場合でも、離婚協議中の変更は、相手との信頼関係を損なう。
    • 保険料の払い込みを、突然止めること: 契約が失効して、保障がなくなる場合がある。

    変更や解約を考えるときは、事前に弁護士や法テラスに相談することをおすすめする。

    5. 離婚前の保険チェックリスト

    1. 夫婦それぞれの保険証券を、すべて集めた
    2. 契約者・被保険者・受取人を、一覧にした
    3. 解約返戻金のある契約と、その現在の額を確認した
    4. 学資保険の契約者・受取人を確認した
    5. 離婚後も続ける保険と、見直す保険を、書き出した
    6. 勝手に解約や変更をしていない

    保険の見直し全体の考え方は、保険の見直しは何から?で整理している。

    6. 相談先

    • 保険会社: 契約内容、解約返戻金の額、手続きの方法の確認。
    • 弁護士・法テラス: 財産分与の対象や、評価の考え方。
    • 保険の無料相談窓口: 契約内容を整理し、離婚後に必要な保障を考える。

    保険の無料相談は、収入のある方が対象のサービスが中心である。加入を急かされても、その場で決めず、持ち帰って考えてよい。

    まとめ

    • 離婚しても、保険の受取人の指定は、自動では変わらないことが多い。契約ごとに確認が必要。
    • 受取人の変更は、契約者の意思表示で行う(保険法43条)。死亡保険は被保険者の同意が要る(同45条)。
    • 解約返戻金は、婚姻中に築いた財産として、財産分与の対象になり得る(民法768条3項の考え方)。
    • 話し合いの前の、勝手な解約・受取人の変更・払い込み停止は避ける。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の事案への助言ではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 保険の見直しは何から?夫婦で確認する5つのポイントと、相談の使い方

    「受取人」は、契約者の通知だけで変えられる

    生命保険の保険金を誰が受け取るかは、保険の契約者が決める。そして、受取人の変更は、契約者が保険会社に意思表示をするだけでできる(保険法43条)。保険事故(死亡など)が起きる前であれば、受取人の同意は要らない。

    ただし、死亡保険の場合は、被保険者の同意がなければ変更は効力を生じない(同45条)。

    つまり、保険には「契約者」「被保険者」「受取人」という3つの役割があり、誰がどの役割かによって、できることが変わる。ところが、夫婦のどちらかが保険に加入していても、自分の保険の契約者が誰か、受取人が誰かを、正確に説明できない人は少なくない。

    保険の見直しは、「保険料を下げる」前に、今の契約の中身を知ることから始まる。

    出典: 保険法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000056)。2026年10月15日確認。

    1. まず、保険証券で確認する5項目

    保険証券(または契約内容のお知らせ)を、夫婦それぞれの分、すべて集めてほしい。見るのは次の5項目である。

    項目 確認すること
    契約者 保険料を払い、契約を変更・解約できる人は誰か
    被保険者 保障の対象になっている人は誰か
    受取人 保険金・給付金を受け取る人は誰か(死亡保険金と、入院給付金などでは異なることがある)
    保障の内容と期間 何に備える保険か。いつまで保障されるか
    保険料と払込期間 毎月(毎年)いくらか。いつまで払うか

    紙の証券が見つからないときは、保険会社のマイページや、問い合わせ窓口で、契約内容を確認できる。

    2. 夫婦で見る「過不足」の考え方

    保障が足りないことも、多すぎることも、どちらも家計に影響する。次の視点で見てほしい。

    • 万一のとき(死亡): 残された家族の生活費、住居費、子どもの教育費をどう賄うか。必要な額は、家族構成・収入・貯蓄・住宅ローンの有無で大きく変わる。
    • 病気・けが(医療): 日本には公的医療保険があり、医療費が高額になった場合の負担を抑える高額療養費制度もある。民間の医療保険は、そのうえで上乗せしたい部分に備えるものである。
    • 働けなくなったとき: 収入が途絶えるリスクは、保険だけでなく、貯蓄や勤務先の制度でも備えられる。
    • 教育費: 学資保険のほか、貯蓄や家計全体の中で準備する選択肢もある。

    「必要な額」は、一般的な金額が決まっているわけではない。自分の家庭の数字で考える必要がある。夫婦の家計の全体像は、家計健康度チェックでも確認できる。

    3. 見直しの順番

    1. 現状把握: 上の5項目を、全契約について一覧にする。
    2. 必要性の確認: 今の家族構成・収入・貯蓄で、何に備えるべきかを書き出す。
    3. 重複の確認: 同じ内容の保障が、複数の契約に重なっていないか確認する。
    4. 変更の影響の確認: 解約や減額の前に、必ず次を確認する。

    – 解約返戻金の有無と額
    – 解約後に再加入できるか(年齢・健康状態で入れない場合がある)
    – 保険料が上がらないか(年齢が上がった後の再加入は、保険料が高くなることが多い)

    解約は、取り消せない。 家計が苦しいときほど、急いで解約したくなるが、まず上の確認を済ませてほしい。

    4. 相談窓口の使い方

    保険の見直しの相談は、無料で受けられる窓口がある。複数の保険会社の商品を扱う窓口なら、比較の視点で話を聞ける。

    使うときに、知っておきたいことが3つある。

    • 窓口は、保険会社から手数料を受け取る仕組みが一般的である。 提案が、必ずしも家庭にとって最適とは限らない。提案の理由を聞き、複数の提案を比べること。
    • 加入を急かされたら、その場で決めない。 持ち帰って、夫婦で相談してよい。
    • 現在の保険の内容を、先に整理しておく。 上の5項目を持って相談に行くと、話が早い。

    相談サービスの多くは、収入のある方を対象にしている。条件は、申し込み前に公式サイトで確認してほしい。

    5. 離婚や別居を考えているときの注意

    離婚や別居を考えている場合は、保険の扱いに、さらに注意が必要である。

    • 勝手な解約や、受取人の変更は避ける。 契約者が単独でできる場合でも、話し合いの途中で一方的に行うと、後でトラブルになりやすい。
    • 解約返戻金のある保険は、財産分与の対象になり得る。 詳しくは、別の記事(離婚前に見直したい保険の名義・受取人)で解説する予定である。
    • 名義や受取人を変える手続きは、保険会社が決めている。 必ず、保険会社に確認してから進めること。

    財産分与や年金分割の期限など、離婚時のお金の基本は、離婚とお金の記事で整理している。

    まとめ

    • 保険には、契約者・被保険者・受取人の3つの役割がある。
    • 受取人の変更は、契約者が保険会社に意思表示するだけでできる(保険法43条)。ただし、死亡保険は被保険者の同意が必要(同45条)。
    • 見直しは、証券の5項目を一覧にすることから始める。
    • 解約や減額の前に、解約返戻金・再加入の可否・保険料の変化を確認する。
    • 相談窓口は、手数料の仕組みを知ったうえで使い、急かされても、その場で決めない。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の保険商品を推奨するものではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 家計の見直し|夫婦で固定費を見直す順番と、家計健康度チェック

    家計の不満は、夫婦ゲンカの火種になる

    夫婦の言い争いの原因は、浮気や性格の不一致だけではない。お金の使い方が、静かに関係をむしばんでいることがある。

    「何にいくら使っているのか分からない」「相手が使いすぎている気がする」。こうした不信感は、家計の全体像を夫婦で共有していないことから生まれやすい。

    家計を見直すのは、節約のためだけではない。夫婦が同じ数字を見るための作業でもある。離婚を考えている場合でも、財産の全体像を把握する作業として役に立つ(離婚時のお金の基本は離婚とお金の記事で解説している)。

    見直しの順番:変えやすい固定費から

    支出は、毎月ほぼ同じ額が出ていく「固定費」と、月ごとに変わる「変動費」に分かれる。効果が長続きするのは、一度見直せば続く固定費である。

    目安として、次の順に見ていくとよい。

    順番 項目 見るポイント
    1 通信費 スマホとインターネット回線の料金。家族の契約をまとめられないか
    2 保険料 内容が今の家族構成に合っているか。重複していないか
    3 光熱費 電気・ガスの契約。契約の見直しで下がる場合がある
    4 住居費 ローン・家賃の負担が収入に対して重すぎないか
    5 サブスク等 使っていない月額サービスはないか

    1. 通信費

    スマホとインターネット回線は、契約したまま見直していない家庭が多い。

    インターネット回線は、住んでいる地域で使えるサービスが決まる。提供エリアの確認と、契約期間・解約金の有無を、申し込み前に必ず確認する。

    2. 保険料

    保険は、結婚・出産・住宅購入などで必要な保障が変わる。加入時のまま放置していると、保障が過剰だったり、足りなかったりする。

    保険会社に直接聞くと、自社商品の説明が中心になる。複数の商品を扱う窓口なら、比較の視点で相談できる。相談は無料のサービスが多いが、加入を急かされた場合は、その場で決めず持ち帰ってよい。

    3. 光熱費

    電気・ガスは、契約先を変えられる。ただし、料金が変動する仕組みや、解約時の条件は事業者ごとに異なる。単に「安い」という広告だけで決めず、料金体系を確認する。

    4. 住居費

    家賃やローンは、変えにくい。ただし、離婚や別居を含めて将来の住まいを考えるときは、住居費が収入の何割かを把握しておく。

    5. サブスク等

    使っていない月額サービスを解約するだけでも、固定費は下がる。これは今日からできる。

    家計健康度チェック(10項目)

    次の項目に、当てはまるものを数えてほしい。結果は目安であり、診断ではない。

    1. 夫婦で、毎月の手取り収入の合計を言える
    2. 毎月の固定費の合計を言える
    3. 預貯金の合計額を言える
    4. ローン・借入金の残高を言える
    5. 加入している保険の内容を説明できる
    6. 毎月、貯蓄に回す額が決まっている
    7. 急な出費(病気・失業など)に、生活費の3か月分以上備えている
    8. 夫婦のどちらかが、相手に内緒の借入れや契約をしていない
    9. お金の使い方について、夫婦で月に1回は話す機会がある
    10. 家計について、相手を責めずに話せる

    結果の見方

    • 8〜10個:家計の全体像が共有できている。固定費の見直しで、さらに余裕が出る可能性がある。
    • 5〜7個:大枠は把握できているが、抜けている部分がある。当てはまらなかった項目から手をつけたい。
    • 0〜4個:家計の全体像が見えていない。まず、収入・支出・預貯金・ローンの4点を書き出す。
    • 特に8番が当てはまらない場合(内緒の借入れなど)は、夫婦の問題としてだけでなく、債務の問題でもある。放置せず、公的な窓口や専門家に相談してほしい。

    ※この診断は、後日、サイト内の診断テスト(家計健康度)として公開する予定である。

    夫婦で話すときのコツ

    • 相手の使い方ではなく、数字を見る。家計簿アプリや通帳のコピーを、2人で見る。
    • 責める言葉を避ける。「どうして使ったのか」ではなく、「今月は何にいくら使ったか」を確認する。
    • ゴールを決める。貯蓄額、返済終了の時期など、2人の目標を先に決める。

    話し合いが感情的になりやすい場合は、第三者(家計の相談窓口など)を入れるのも一案である。

    相談先

    • お住まいの市区町村の相談窓口:家計や生活の困りごとの相談に応じてくれる自治体もある。
    • 法テラス:借入れ・債務の問題の相談先案内を受けられる。
    • ファイナンシャルプランナー(FP):家計全体の相談。有料・無料のサービスがある。

    まとめ

    • 家計の不透明さは、夫婦の不信感につながりやすい。
    • 見直しは、効果の続く固定費から。通信費→保険料→光熱費→住居費の順に。
    • 保険や回線は、申し込み前に、条件(エリア・期間・解約金・加入を急かされないか)を確認する。
    • 夫婦の話し合いは、相手の使い方ではなく、数字を見る。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の金融・保険商品を推奨するものではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 離婚とお金|財産分与・年金分割の請求期限は「5年」になっている

    「離婚から2年」と思い込んでいる人が多い

    財産分与も年金分割も、離婚から2年を過ぎると請求できなくなる。長く、そう説明されてきた。

    ところが、現行の条文を確認すると、この数字は変わっている。

    • 財産分与:家庭裁判所に分与を求められる期間は、離婚の時から5年(民法768条2項)
    • 年金分割:標準報酬の改定を請求できる期間は、離婚等をしたときから5年(厚生年金保険法78条の2第1項ただし書)

    古い情報を信じて「もう2年過ぎたから無理だ」と諦めた人がいるかもしれない。逆に、「まだ時間がある」と思い込んで、手続きを先延ばしにする人もいるだろう。いずれにせよ、お金の話は、現行の条文から確認する必要がある。

    本記事では、離婚前後のお金の基本を、条文を基に整理する。

    出典: 民法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)、厚生年金保険法(同 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115)。2026年10月14日確認。
    離婚の時期によって、改正前の取り扱いが残る場合(経過措置)がある。ご自身の離婚が改正の前か後かで扱いが変わる可能性があるため、請求前に、家庭裁判所・年金事務所・弁護士に必ず確認してほしい。

    1. 財産分与とは何か

    財産分与とは、離婚した夫婦の一方が、相手に財産の分与を請求できる制度である(民法768条1項)。

    話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所に「協議に代わる処分」を請求できる。ただし、離婚の時から5年を過ぎると、この請求はできない(同条2項)。

    分け方の考え方

    家庭裁判所は、次のような事情を考慮して、分与するかどうか、額と方法を決める(同条3項)。

    • 婚姻中に取得・維持した財産の額
    • それぞれの寄与の程度
    • 婚姻の期間、婚姻中の生活水準
    • 婚姻中の協力・扶助の状況
    • 年齢、心身の状況、職業、収入

    そして、条文には次の一文がある。寄与の程度が異なることが明らかでないときは、相等しいものとする。

    つまり、「どちらが稼いだか」ではなく、特段の事情がなければ、寄与は同じと扱う。専業主婦(主夫)であっても、この原則から外れるわけではない。

    対象になりやすい財産

    • 預貯金、保険の解約返戻金
    • 不動産(自宅など)、自動車
    • 株式、退職金など

    名義が一方になっていても、婚姻中に築いた財産であれば対象になり得る。何がどこにあるのかを把握していないと、請求しようがない。 離婚を考え始めたら、まず財産の全体像をつかむことが先になる。

    持ち家がある場合の注意

    住宅ローンが残る自宅は、売却するのか、どちらかが住み続けるのかで、手続きが大きく変わる。ローンの残高と売却見込み額を把握しないまま話を進めると、後から困ることが多い。

    不動産の売却を検討する場合の査定は、無料で複数社に依頼できるサービスもある。ただし、売却の目的を問われることや、名義人本人またはその親族でないと対応できないケースがある点に注意したい。

    2. 年金分割とは何か

    年金分割とは、離婚したときに、婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録(標準報酬)を、夫婦で分け合う制度である。老後に受け取る年金額に関わる。

    現行の厚生年金保険法では、請求できる期間は離婚等をしたときから5年である(78条の2第1項ただし書)。

    手続きの前提

    分割の割合は、当事者の合意か、家庭裁判所が定める。割合が決まったうえで、年金事務所に標準報酬改定請求を行う流れになる。

    「合意分割」と「3号分割」など、制度の種類や必要書類が異なる。窓口は年金事務所なので、離婚が決まったら早めに相談しておくとよい。

    3. 別居中・離婚前のお金:婚姻費用

    離婚が成立するまでは、夫婦はなお夫婦である。民法760条は、夫婦は「その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と定めている。

    別居していても、収入の少ない側が、多い側に生活費(婚姻費用)を求められることがある。金額は、双方の収入などを基に家庭裁判所の算定表で目安が示される。

    離婚を考え始めて別居を始める際は、別居後の生活費をどうするかを先に決めておかないと、生活が立ちゆかなくなる。

    4. 子どもがいる場合:養育費

    子どもがいる場合、離婚の際には、監護者、面会交流、子の監護に要する費用(養育費)の分担などを協議で定める(民法766条1項)。協議が調わないときは、家庭裁判所が定める(同条2項)。

    「取り決めなしの離婚」への備え

    現行の民法には、法定養育費の制度がある(766条の3)。養育費の取り決めをせずに協議離婚した場合、離婚時から子を主に監護している側が、他方に、法務省令で定める額を請求できる。支払い能力がない場合などの例外もある。

    とはいえ、制度に頼るより、離婚時に具体的な金額と支払い方法を書面で取り決めておくほうが、確実である。

    親権

    離婚の際は、父母の協議で、双方または一方を親権者と定める(民法819条1項)。現行の条文では、父母の双方を親権者と定めることも可能になっている。ただし、暴力のおそれがあるなど、共同して親権を行うことが困難な場合は、一方を親権者と定めなければならない(同条7項)。

    詳しくは、別の記事(離婚と子ども)で解説する予定である。

    5. 離婚前にやっておきたいお金の整理

    1. 家計と財産の把握:預貯金、保険、不動産、ローン、借入金。通帳のコピー、保険証券、ローン残高の書類を集める。
    2. 収入と支出の見える化:別居後の生活費を見積もる。
    3. 保険の確認:加入している保険の内容と、名義・受取人を確認する。見直しの相談を無料で受けられるサービスもある。
    4. 公的な窓口で相談:法律の判断が必要な部分は、弁護士や法テラスに相談する。

    6. 相談先

    • 法テラス(日本司法支援センター):法的トラブルの相談窓口の案内、要件を満たす場合の費用立替制度など。
    • 各地の弁護士会の相談窓口:離婚、財産分与の相談。
    • 家庭裁判所:調停の申立てなど。手続きの案内も受けられる。
    • 年金事務所:年金分割の相談と請求。

    このサイトでは、個別の事案に法的な助言をすることはできない。具体的な判断が必要なときは、上記の窓口を利用してほしい。

    まとめ

    • 財産分与の請求期間は、離婚の時から5年(民法768条2項)。
    • 年金分割の請求期間は、離婚等をしたときから5年(厚生年金保険法78条の2第1項ただし書)。
    • 寄与の程度が異なることが明らかでなければ、等しいものとして扱われる。
    • 別居中は婚姻費用、子どもがいれば養育費を、先に整理しておく。
    • 何がどこにあるのかを把握しておくことが、最初の一歩になる。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の事案への助言ではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 夫婦の悩み、どこから整理するか|5つのテーマと、先に確認したいこと

    まず、安全の確認から

    夫婦の悩みを整理する前に、一つだけ確認したい。

    あなた、または子どもが、暴力や強い恐怖を感じる状況にいないか。

    殴る・蹴るだけでなく、暴言や無視、経済的に追い詰める行為、行動の監視なども、深刻な被害になり得る。身の危険を感じている場合は、このサイトを読み進める前に、次の窓口に連絡してほしい。

    • 緊急のとき:警察(110番)
    • DV相談プラス:0120-279-889(24時間、無料)(内閣府の相談窓口)
    • お住まいの地域の配偶者暴力相談支援センター

    連絡先は変更されることがあるため、利用前に公的な案内で確認してほしい。

    夫婦の悩みは、絡み合っている

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    離婚とお金

    離婚を考え始めたとき、最初に直面するのがお金の問題である。財産分与、年金分割、別居中の生活費、養育費。請求できる期間は、現行の条文では「離婚から5年」と、以前の認識から変わっている。

    → 離婚とお金|財産分与・年金分割の請求期限は「5年」になっている

    離婚と子ども

    親権、養育費、面会交流。共同親権を選べる制度になり、取り決めの重みが増している。子どもにとって何が最善かを、感情から離れて考える。

    → (準備中)

    浮気問題

    浮気の疑いを感じたとき、何を確認し、何を避けるべきか。感情のまま動くと、後で不利になることがある。

    → (準備中)

    家計の見直し

    夫婦のお金への不信は、家計の全体像を共有していないところから生まれやすい。固定費の見直しと、家計健康度のチェック。

    → 家計の見直し|夫婦で固定費を見直す順番と、家計健康度チェック

    子育て

    家事や育児の分担が、夫婦関係を左右する。分担の偏りを可視化し、話し合うための材料を用意する。

    → (準備中)

    どこから読むか:状況別の目安

    あなたの状況 先に読むテーマ
    離婚を考え始めた 離婚とお金 → 離婚と子ども
    相手の行動に疑いを感じる 浮気問題
    お金のことで揉めている 家計の見直し
    家事・育児の負担が偏っている 子育て
    何が問題かよく分からない まず「家計の見直し」のチェックで、夫婦の状況を確認する

    このサイトにできること、できないこと

    できること

    • 制度や法律の一般的な情報を、原文を基に整理して伝える
    • 診断テストで、状況の整理を手助けする
    • 公的な相談窓口や、サービスの情報を紹介する

    できないこと

    • 個別の事案への法律相談や、離婚の是非の判断
    • 専門家(弁護士・税理士など)に代わる助言

    判断が必要な場面では、弁護士や法テラスなどの専門家・公的機関に相談してほしい。

    最後に

    夫婦の問題に、一つの正解はない。続ける選択も、離れる選択も、情報を知ったうえで選ぶことができれば、後悔は小さくなる。

    このサイトが、そのための材料になればと考えている。

    ※この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。