家事代行は「ぜいたく」ではなく、「夫婦の時間を買う」手段になり得る
家事代行に、後ろめたさを感じる人は少なくない。「家事は自分たちでやるものだ」「お金を払うのは、ぜいたくだ」という気持ちである。
しかし、見方を変えると、家事代行は、夫婦のどちらかに偏っていた家事の負担を、外に出す手段でもある。家事をめぐる夫婦の言い争いが減り、夫婦で話す時間や、子どもと過ごす時間が増えるなら、それは、関係を守るための支出とも言える。
もちろん、誰にとっても必要というわけではない。この記事では、使うかどうかの判断基準と、失敗しない選び方を整理する。
1. 使うかどうかの判断基準
次の点を、夫婦で確認してみる。
| 確認する点 | 考え方 |
|---|---|
| 負担の偏り | 家事・育児の負担が、一方に大きく偏っていないか。→ 子育て負担バランスで確認できる |
| 家計の余力 | 固定費を見直したうえで、継続して払える範囲か。→ 夫婦で固定費を見直す順番 |
| 目的 | 何を楽にしたいのか(掃除・料理・片付け・洗濯)。一番つらい作業を、1つに絞る |
| 夫婦の合意 | 夫婦の双方が、納得しているか。一方の「自分で何とかしろ」という気持ちが残っていないか |
| 代替の手段 | 家電(食洗機・ロボット掃除機)、宅配食材、時短の工夫のほうが、費用対効果が高くないか |
「全部を任せる」必要はない。 最もつらい作業を、月に数回だけ頼むことから始めるのが現実的である。
2. 家事代行でできること・できないこと
一般に、家事代行では、次のような作業を頼める。
- 掃除(キッチン、浴室、トイレ、床など)
- 洗濯・アイロン
- 料理・作り置き
- 片付け・整理収納
一方で、サービスごとに、できる範囲が決まっている。次のような作業は、対象外のことが多い。
- 高所の作業、大がかりな家具の移動
- 業務用の設備や、専門の資格が必要な作業
- 介護・医療行為
- 子どもの世話(保育):家事代行と、ベビーシッターは、別のサービスである。子どもを預ける場合は、ベビーシッター事業者などの、別のサービスを選ぶ。居宅で子どもを保育するサービスは、事業者に届出などの制度がある。届出の状況を、事前に確認することをおすすめする。
3. 失敗しない選び方
① 対応地域・時間帯
住所が対応地域に入っているかを、最初に確認する。地域が限られているサービスもある。
② 料金の仕組み
- 時間単位か、定額か。
- 交通費・出張費・駐車場代は、別にかかるか。
- 最低利用時間は、あるか。
- キャンセル料は、いつから、いくらかかるか。
広告やサイトの「安い」という表示だけで、決めない。 実際に払う総額で、比べる。
③ スタッフと責任の範囲
- スタッフは、事業者が雇用しているか、登録制か。
- 損害賠償保険に入っているか。 物を壊した・なくした場合の対応が、決まっているか。
- 鍵の預かりが必要か。必要な場合の、管理の方法。
④ 事前の見積もり・お試し
初回に、お試しのプランや、無料の見積もり・相談があるかを確認する。定期利用の契約をする前に、1回だけ試すと、相性が分かる。
⑤ 契約の解除
契約期間・解約の条件を、事前に確認する。解約の手続きが、分かりにくくないか。
4. 頼む前に、夫婦で決めておくこと
- 目的: 何を、どの頻度で頼むか。
- 予算: 月にいくらまで。続けられる範囲か。
- 家の準備: 見られたくないもの(貴重品、書類、私物)の置き場所。
- 立ち会い: 在宅か、不在か。誰が対応するか。
- 見直しの日: 1〜2か月後に、続けるかを見直す。
5. 利用するときの注意
- 個人情報・貴重品の管理: 通帳・印鑑・貴重品は、手の届かない場所にしまう。
- 作業内容の事前共有: 作業の順番、使ってよい洗剤・道具を、伝えておく。
- トラブルのとき: 事業者の窓口に、早めに連絡する。解決しないときは、消費生活センター(188)に相談できる。
- 契約時の説明を、書面やメールで、保存する。
まとめ
- 家事代行は、夫婦のどちらかに偏った負担を、外に出す手段になり得る。
- 使うかどうかは、負担の偏り・家計の余力・目的・夫婦の合意で考える。まず、一番つらい作業を、1つに絞る。
- 子どもの世話は、家事代行ではなく、ベビーシッターなどの別のサービス。届出の状況を確認する。
- 選ぶときは、対応地域、総額(交通費・キャンセル料)、保険、お試し、解約条件を確認する。
※本記事は一般的な情報であり、個別のサービスを推奨するものではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。