カテゴリー: 子育て

  • 家事・育児の分担を「見える化」する方法|不満が「数字」と「事実」に変わる分担表のつくり方

    「私ばかりがやっている」は、ほとんどの場合、お互いに同じことを思っている

    家事と育児の分担をめぐる夫婦の言い争いには、共通した形がある。

    「私ばかりが、やっている」と、一方が言う。「自分もやっている」と、もう一方が答える。どちらも、嘘は言っていない。 見えている範囲が違うだけである。

    自分がやっていることは、手間も時間も、よく見える。相手がやっていることは、見えにくい。とくに、子どもの予定を把握し、持ち物を準備し、必要な手続きを思い出すという、頭の中で行われる作業は、外からほとんど見えない。いわゆる「名もなき家事」である。

    分担の不満は、感情の問題として扱うと、堂々巡りになる。事実と数字に置き換えると、話し合えるようになる。この記事では、その方法を整理する。

    1. 分担表をつくる前に、決めておくこと

    目的は「公平の証明」ではない

    分担表の目的は、どちらが多くやっているかを証明して、相手を責めることではない。目的は、2人の見え方の違いを知り、これからの分担を決める材料にすることである。この前提を、最初に、夫婦で確認しておく。

    「家事」の範囲を、広く取る

    次の3つに分けると、見落としが減る。

    • 作業: 料理、洗濯、掃除、ゴミ出し、送り迎え、入浴・寝かしつけなど、体を動かす作業。
    • 管理(段取り): 献立を考える、買い物リストをつくる、学校・園のお知らせを確認する、予防接種や健診の予約をする、持ち物を把握するなど、考えて・思い出して・手配する作業。
    • 感情・関係の仕事: 子どもの悩みを聞く、祖父母や親戚とのやりとり、近所づきあい、行事の調整など。

    分担でもめるのは、「管理」を見落としている場合が多い。作業を半々にしていても、管理を一方が一手に引き受けていれば、負担感は大きく偏る。

    2. 分担表のつくり方(4ステップ)

    ステップ1:やっていることを、すべて書き出す

    家事・育児で行っていることを、1週間の生活を思い浮かべながら、付箋やメモアプリに1件ずつ書き出す。夫婦で、別々に書く。

    ステップ2:「誰が、主にやっているか」を付ける

    書き出した項目ごとに、主にやっている人を付ける。「自分」「相手」「半々」の3つでよい。夫婦それぞれが、別々に付ける。

    ステップ3:2人の回答を並べる

    別々に付けた回答を、並べて見る。ここで見るのは、次の点である。

    • 一致している項目: 認識が合っている。そのままでよい。
    • 食い違っている項目: 「自分がやっている」と、お互いに思っている項目。見えていない作業があるサイン。
    • 誰もやっていない項目: 後回しになっていて、不満の種になっている項目。

    ステップ4:変えるのは、1〜2項目だけにする

    一度に、全部を変えようとしない。差が大きい項目から、1〜2項目を選んで、新しい分担を決める。決めたことは、紙に書いて、見える場所に貼る。1か月後に、見直す日を決めておく。

    3. 話し合いのコツ

    • 「どちらが悪いか」ではなく、「2人の見え方の違い」として扱う。
    • 「あなたはやっていない」と言わない。 「この作業が、私には見えていなかった」と、事実から話す。
    • 感謝を言葉にする。 見えていなかった作業に気づいたら、まず、「ありがとう」を伝える。
    • 完璧を求めない。 相手のやり方が、自分と違っても、結果が大きく変わらなければ、口を出さない。
    • 話し合いが感情的になったら、時間を置く。 夜遅くの話し合いは、避ける。
    • 負担が大きい側が、休める時間を、先に決める。 週に数時間でも、一人で過ごせる時間を確保する。

    4. 分担を決めるときの視点

    分担は、時間・体力・得意・仕事の状況で、変わる。次の点を考える。

    • 仕事の負担: 勤務時間、通勤時間、繁忙期。収入の差だけで、家事・育児の量を決めない。
    • 体力と健康: 病気、妊娠・産後、疲労の状態。
    • 得意・不得意: 向いている作業を、中心にする。
    • 子どもの年齢: 年齢によって、必要な世話が変わる。分担も、定期的に見直す。
    • 外部の力: すべてを夫婦でやろうとしない。家事代行、一時預かり、自治体の子育て支援など、使える手段を検討する。

    5. 自分の状況を数字で見る

    あなたから見た家事・育児の負担の偏りを、数字で確認できる診断がある。パートナーにも同じ質問に答えてもらい、結果を並べて見ることをおすすめする。

    → 子育て負担バランス

    6. 一人で抱え込んでいるときは

    話し合っても改善せず、疲れが限界に近い場合は、夫婦の問題としてだけでなく、心身の問題として、外部に相談してほしい。

    • お住まいの自治体の子育て支援窓口: 一時預かり、ファミリー・サポート・センターなどの案内。
    • 産後1年未満の場合: 市町村の産後ケア事業(母子保健法17条の2)。
    • 気持ちが落ち込み、眠れない・食べられない状態が続くとき: 医療機関(精神科・心療内科、産婦人科)への相談。
    • 身の危険を感じるとき: 警察(110番)、DV相談プラス(0120-279-889、24時間)。

    まとめ

    • 分担の不満は、見えている範囲の違いから生じる。とくに「管理(段取り)」は、外から見えにくい。
    • 分担表は、「誰が悪いか」を決めるためでなく、「2人の見え方の違い」を知るためにつくる。
    • 4ステップ:書き出す → 主にやっている人を付ける → 並べる → 差の大きい1〜2項目だけ変える。
    • 話し合いは、事実から。感謝を言葉にし、感情的になったら時間を置く。
    • 限界のときは、夫婦だけで抱えず、公的な窓口や医療機関に相談する。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の事案への助言ではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 家事代行は使うべき?夫婦で考える判断基準と、失敗しない選び方

    家事代行は「ぜいたく」ではなく、「夫婦の時間を買う」手段になり得る

    家事代行に、後ろめたさを感じる人は少なくない。「家事は自分たちでやるものだ」「お金を払うのは、ぜいたくだ」という気持ちである。

    しかし、見方を変えると、家事代行は、夫婦のどちらかに偏っていた家事の負担を、外に出す手段でもある。家事をめぐる夫婦の言い争いが減り、夫婦で話す時間や、子どもと過ごす時間が増えるなら、それは、関係を守るための支出とも言える。

    もちろん、誰にとっても必要というわけではない。この記事では、使うかどうかの判断基準と、失敗しない選び方を整理する。

    1. 使うかどうかの判断基準

    次の点を、夫婦で確認してみる。

    確認する点 考え方
    負担の偏り 家事・育児の負担が、一方に大きく偏っていないか。→ 子育て負担バランスで確認できる
    家計の余力 固定費を見直したうえで、継続して払える範囲か。→ 夫婦で固定費を見直す順番
    目的 何を楽にしたいのか(掃除・料理・片付け・洗濯)。一番つらい作業を、1つに絞る
    夫婦の合意 夫婦の双方が、納得しているか。一方の「自分で何とかしろ」という気持ちが残っていないか
    代替の手段 家電(食洗機・ロボット掃除機)、宅配食材、時短の工夫のほうが、費用対効果が高くないか

    「全部を任せる」必要はない。 最もつらい作業を、月に数回だけ頼むことから始めるのが現実的である。

    2. 家事代行でできること・できないこと

    一般に、家事代行では、次のような作業を頼める。

    • 掃除(キッチン、浴室、トイレ、床など)
    • 洗濯・アイロン
    • 料理・作り置き
    • 片付け・整理収納

    一方で、サービスごとに、できる範囲が決まっている。次のような作業は、対象外のことが多い。

    • 高所の作業、大がかりな家具の移動
    • 業務用の設備や、専門の資格が必要な作業
    • 介護・医療行為
    • 子どもの世話(保育):家事代行と、ベビーシッターは、別のサービスである。子どもを預ける場合は、ベビーシッター事業者などの、別のサービスを選ぶ。居宅で子どもを保育するサービスは、事業者に届出などの制度がある。届出の状況を、事前に確認することをおすすめする。

    3. 失敗しない選び方

    ① 対応地域・時間帯

    住所が対応地域に入っているかを、最初に確認する。地域が限られているサービスもある。

    ② 料金の仕組み

    • 時間単位か、定額か。
    • 交通費・出張費・駐車場代は、別にかかるか。
    • 最低利用時間は、あるか。
    • キャンセル料は、いつから、いくらかかるか。

    広告やサイトの「安い」という表示だけで、決めない。 実際に払う総額で、比べる。

    ③ スタッフと責任の範囲

    • スタッフは、事業者が雇用しているか、登録制か。
    • 損害賠償保険に入っているか。 物を壊した・なくした場合の対応が、決まっているか。
    • 鍵の預かりが必要か。必要な場合の、管理の方法。

    ④ 事前の見積もり・お試し

    初回に、お試しのプランや、無料の見積もり・相談があるかを確認する。定期利用の契約をする前に、1回だけ試すと、相性が分かる。

    ⑤ 契約の解除

    契約期間・解約の条件を、事前に確認する。解約の手続きが、分かりにくくないか。

    4. 頼む前に、夫婦で決めておくこと

    • 目的: 何を、どの頻度で頼むか。
    • 予算: 月にいくらまで。続けられる範囲か。
    • 家の準備: 見られたくないもの(貴重品、書類、私物)の置き場所。
    • 立ち会い: 在宅か、不在か。誰が対応するか。
    • 見直しの日: 1〜2か月後に、続けるかを見直す。

    5. 利用するときの注意

    • 個人情報・貴重品の管理: 通帳・印鑑・貴重品は、手の届かない場所にしまう。
    • 作業内容の事前共有: 作業の順番、使ってよい洗剤・道具を、伝えておく。
    • トラブルのとき: 事業者の窓口に、早めに連絡する。解決しないときは、消費生活センター(188)に相談できる。
    • 契約時の説明を、書面やメールで、保存する。

    まとめ

    • 家事代行は、夫婦のどちらかに偏った負担を、外に出す手段になり得る。
    • 使うかどうかは、負担の偏り・家計の余力・目的・夫婦の合意で考える。まず、一番つらい作業を、1つに絞る。
    • 子どもの世話は、家事代行ではなく、ベビーシッターなどの別のサービス。届出の状況を確認する。
    • 選ぶときは、対応地域、総額(交通費・キャンセル料)、保険、お試し、解約条件を確認する。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別のサービスを推奨するものではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • ワンオペ育児がしんどいとき|夫婦で話すことと、夫婦の外にある支援

    「ワンオペ」は、気持ちの弱さではなく、構造の問題である

    仕事や、家庭の事情で、ほとんどの育児と家事を、一人で担う。いわゆる「ワンオペ育児」である。

    疲れて当たり前の状況である。にもかかわらず、多くの人は、「自分の努力が足りない」「みんなやっている」と、自分を責める。しかし、一人で担う量が、一人の限界を超えているなら、それは、気持ちの強さの問題ではない。分担と支援の仕組みの問題である。

    この記事では、夫婦で話し合うことと、夫婦の外にある支援を、整理する。

    1. 限界のサイン

    次のようなサインが続くときは、休むことと、助けを求めることを、最優先にしてほしい。

    • 眠れない、または寝ても疲れがとれない状態が、続いている。
    • 食欲がない、または食べ過ぎてしまう。
    • 子どもに対して、強いいらだちを感じる。手が出そうになる。
    • 何をしても楽しくない。涙が止まらない。
    • 自分は、いない方がよいと考えてしまう。

    身体や心の不調が続く場合は、医療機関(精神科・心療内科、産婦人科)に相談することをおすすめする。子どもへの暴力を止められないと感じたとき、または、死にたいと思うほど追い詰められたときは、すぐに、次の窓口に連絡してほしい。

    • 緊急のとき: 警察(110番)、救急(119番)
    • よりそいホットライン: 0120-279-338(24時間)
    • 児童相談所 全国共通ダイヤル: 189(いちはやく)

    連絡先は変更されることがある。利用前に、公的な案内で確認してほしい。

    2. 夫婦で、話すこと

    「できていない」のではなく、「量が多すぎる」と伝える

    話し合いの入り口は、責めることではなく、事実の共有である。「あなたは、何もしていない」ではなく、「1日に、これだけのことを、私が担っている」と、一覧にして見せる。

    → 家事・育児の分担を「見える化」する方法

    「手伝う」ではなく、「共同で担う」

    家事・育児は、どちらかの仕事を、もう一方が「手伝う」ものではない。共同で担うものである。「手伝う」という言葉が、すでに、責任の所在を一方に置いている。

    具体的に頼む

    「もっと協力して」という言い方は、伝わらない。「毎週火曜日と土曜日の夕食後の洗い物と、子どもの入浴を、お願いしたい」のように、いつ・何を・どれくらいを、具体的に伝える。

    休む時間を、先に確保する

    話し合いの前に、休む時間を、先に決める。たとえば、週に半日、一人で過ごせる時間をつくる。休めていない状態では、冷静な話し合いはできない。

    話し合いは、決まった時間に

    感情が高ぶった状態の話し合いは、うまくいかない。週に1回、決まった曜日・時間に、短く話す時間を設ける。夜遅くの話し合いは避ける。

    3. 相手に頼めない事情があるとき

    相手が、長時間労働や単身赴任などで、物理的に、育児に関われないこともある。その場合は、夫婦の話し合いで解決できる範囲に、限りがある。

    • 「できない」を、責めずに受け止める。 そのうえで、夫婦以外の支援を、前提にした体制をつくる。
    • 相手が関われる別の形(家計の管理、手続き、休日の一部)を、探す。
    • 勤務先の制度(時短勤務、休暇、在宅勤務)で、調整できないか、相手に相談してもらう。

    4. 夫婦の外にある支援

    ① 自治体の子育て支援

    お住まいの市区町村には、次のような支援がある(内容は自治体によって異なる)。

    • こども家庭センター: 妊娠期から子育て期までの、相談窓口。
    • 一時預かり: 保護者の用事や、休息のために、子どもを一時的に預かる事業。
    • ファミリー・サポート・センター: 子どもを預けたい人と、預かれる人を、つなぐ事業。
    • 子育て支援拠点(児童館、地域子育て支援センター): 親子で過ごせる場所と、相談の機会。

    ② 産後ケア事業

    出産後1年を経過しない女性と乳児を対象に、心身のケアや育児の相談、世話をする事業を、市町村が行うよう努めることが、法律で定められている(母子保健法17条の2)。

    • 短期間の宿泊型、日帰りの通所型、自宅に来てもらう訪問型がある。
    • 利用の条件・料金・対象は、自治体によって異なる。お住まいの市区町村の、母子保健の窓口に確認する。

    ③ 家事代行・宅配食材などの民間サービス

    家事の負担を減らす手段として、検討できる。→ 家事代行は使うべき?

    ④ 家族・友人・地域のつながり

    頼れる人がいる場合は、具体的な日時を決めて、頼む。「困ったら言って」という申し出に、「来週の木曜に、2時間、見てもらえますか」と答える。

    5. 「助けを求める」ことは、子どもを守ること

    自分一人が限界を超えたまま育児を続けることは、自分にとっても、子どもにとっても、よい状態ではない。助けを求めることは、子どもを守る選択である。

    6. 診断で、いまの状況を整理する

    家事・育児の偏りを数字で確認できる。パートナーにも同じ質問に答えてもらい、結果を並べて見ることをおすすめする。

    → 子育て負担バランス

    まとめ

    • ワンオペ育児の疲れは、気持ちの弱さではなく、一人で担う量が多すぎる構造の問題。
    • 限界のサイン(不眠、強いいらだち、涙が止まらない)が続くときは、医療機関や公的な窓口に相談する。
    • 夫婦の話し合いは、責めずに事実を共有し、具体的に頼む。先に、休む時間を確保する。
    • 夫婦以外の支援(こども家庭センター、一時預かり、ファミリー・サポート、産後ケア事業)を、使う。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の事案への助言・医療上の診断ではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 産後に夫婦関係が悪化する理由と対策|産後パパ育休(出生時育児休業)の使い方

    産後は、夫婦の関係が変わりやすい時期である

    赤ちゃんが生まれた直後の数か月は、夫婦にとって、人生でもっとも忙しく、不安定な時期の1つである。この時期に、夫婦の関係が、急に冷えたと感じる人は少なくない。「産後クライシス」と呼ばれることもある。

    原因は、どちらかの愛情が冷めたからとは限らない。産後の生活の変化と、睡眠不足と、負担の偏りが、重なっていることが多い。つまり、原因の多くは、気持ちの問題というより、状況の問題である。

    この記事では、産後に夫婦関係が揺れやすい理由と、対策、そして、父親が使える産後パパ育休(出生時育児休業)を整理する。

    出典: 母子保健法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000141)、育児・介護休業法(同 https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000076)。2026年10月16日確認。

    1. なぜ産後に、夫婦関係が揺れやすいのか

    ① 睡眠不足と、体の回復

    産後の母親は、出産で体力を消耗し、回復の途中にある。そのうえで、数時間おきの授乳・夜泣きに対応する。睡眠不足は、判断力と感情のコントロールに、大きく影響する。ささいなことで、いらだったり、涙が出たりすることがある。

    ② ホルモンの変化

    産後は、ホルモンの状態が大きく変化する。気分が不安定になりやすい時期である。これは、本人の努力でコントロールできるものではない。

    ③ 生活の激変と、負担の偏り

    育児と家事の量が、一気に増える。多くの家庭では、母親に負担が偏りやすい。「何をしてよいか分からない」「言われないと動けない」という父親と、「言わなければ分かってくれない」「頼むこと自体が負担」という母親の間で、すれ違いが生じる。

    ④ 夫婦の時間が消える

    育児に追われて、夫婦で話す時間、2人で過ごす時間が、なくなる。会話が、「事務連絡」だけになる。

    ⑤ 父親の孤立

    父親にも、「何をすればよいか分からない」「仕事と家庭の板挟み」「頼られていないと感じる」という、悩みがある。孤立しているのは、母親だけではない。

    2. 産後にやっておきたい5つの対策

    ① 出産前に、産後の分担を話し合っておく

    出産前に、産後の最初の数週間の、家事・育児の分担を、決めておく。産後に入ってからでは、話し合う余力がない。

    ② 母親の睡眠を、最優先にする

    授乳以外の夜の対応を、父親が分担する、ミルクを使って、交代で寝るなど、母親が、まとまって眠れる時間をつくる。

    ③ 「名前のない家事」を、見える化する

    産後は、考えて、手配する作業(管理)が、急増する。何を誰が考えているかを、見える化する。→ 家事・育児の分担を「見える化」する方法

    ④ 感謝と、短い会話を、毎日の習慣にする

    長い話し合いが無理でも、1日に1回、短く、気持ちを伝え合う習慣を持つ。「ありがとう」「今日は、大変だった」だけでもよい。

    ⑤ 外部の支援を、前提にする

    夫婦だけで乗り切ろうとしない。→ ワンオペ育児がしんどいとき

    3. 父親が使える制度:産後パパ育休(出生時育児休業)

    父親が、産後の早い時期に、育児に関わるための制度が、法律に定められている。

    制度の内容

    出生時育児休業は、子の出生の日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間以内の期間を定めて取得できる休業である(育児・介護休業法9条の2)。「産後パパ育休」とも呼ばれる。

    • 対象:その子を養育する労働者(主に、父親)。
    • 申出先:事業主(勤務先)。
    • 回数:原則として、2回に分けて取得できる。取得できる日数は、合計で28日まで。

    取るときのポイント

    • 早めに、勤務先に申し出る。 申出の期限や手続きは、勤務先の規則と、法令の定めがある。
    • 取得の日数・時期は、夫婦で相談して決める。 母親の退院直後〜産後の数週間は、特に、父親の関わりが大きい。
    • 給付金・社会保険料の取り扱いなどの、金銭面の制度は、変更されることがあるため、必ず、公式の情報(厚生労働省、勤務先、ハローワーク)で確認する。
    • 取得しにくい雰囲気がある場合は、勤務先の人事、または、都道府県労働局(雇用環境・均等部門)に相談できる。

    休業を取ることは、家事・育児を「手伝う」ことではなく、共同で担うための準備期間である。

    4. 産後の心の不調に気づいたら

    産後は、気分が落ち込む・不安が強い・眠れない・食べられないなどの状態が、続くことがある。次のような場合は、ひとりで抱えず、医療機関や、公的な窓口に相談してほしい。

    • 気分の落ち込みや、強い不安が、2週間以上続いている。
    • 赤ちゃんの世話が、できないと感じる。
    • 自分や赤ちゃんを、傷つけてしまいそうだと感じる。

    相談先:

    • 産婦人科・助産師・小児科:産後健診や、育児相談の機会。
    • 市区町村の母子保健の窓口、こども家庭センター:産後の相談、産後ケア事業の案内。
    • 産後ケア事業:出産後1年を経過しない女性と乳児を対象に、心身のケア・育児の相談などを行う事業。市町村が行うよう努めることが、法律で定められている(母子保健法17条の2)。利用できるかは、自治体による。
    • 緊急のとき: 警察(110番)、救急(119番)。

    5. 夫婦の関係を、立て直すために

    産後の関係の悪化は、一時的なものであることが多い。子どもが成長し、生活のリズムが整うにつれて、関係が戻る夫婦もいる。ただし、そのまま放置すると、不信感が積み重なって、固定することもある。

    まとめ

    • 産後に夫婦関係が揺れやすいのは、睡眠不足、ホルモンの変化、負担の偏り、夫婦の時間の消失が重なるため。気持ちの問題だけではない。
    • 対策は、出産前の話し合い、母親の睡眠の確保、見える化、毎日の短い会話、外部の支援。
    • 父親は、産後パパ育休(出生時育児休業)で、出生後8週間以内に、4週間以内(2回に分けて合計28日まで)休業できる(育児・介護休業法9条の2)。金銭面の制度は、公式で確認する。
    • 気分の落ち込みや不安が続くときは、医療機関や、市区町村の窓口に相談する。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別の事案への助言・医療上の診断ではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。

  • 子どもの勉強、誰が見る?オンライン教材の選び方と、夫婦で決める役割分担

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    子どもの勉強をめぐる「夫婦の温度差」

    子どもの勉強について、夫婦の意見が合わない。「もっと勉強させたほうがよい」と言う親と、「そこまで急がなくてよい」と言う親。あるいは、「誰が宿題を見るのか」をめぐって、いつも、一方に任されている。

    勉強の見守りは、時間と気力を、毎日使う仕事である。家事・育児の分担のなかでも、負担が偏りやすく、夫婦の言い争いの種になりやすい。

    この記事では、子どもの勉強を、夫婦でどう分担するか、そして、オンライン教材を選ぶときの考え方を整理する。

    1. まず、夫婦で決めておく3つのこと

    ① 目標:何のための勉強か

    「成績を上げたい」「学校の授業についていきたい」「苦手を克服したい」「学習習慣をつけたい」など、目標が、夫婦で食い違っていないかを確認する。目標が違うと、どんな教材を選んでも、すれ違う。

    ② 子どもの様子:本人はどう感じているか

    子ども本人の気持ちを、聞く。「勉強が嫌い」のか、「分からなくて嫌」なのか、「やり方が合わない」のか。理由によって、対応が変わる。

    ③ 分担:誰が、何をするか

    勉強の見守りには、複数の役割がある。

    • 管理: 宿題・提出物・テストの予定を、把握する。
    • 声かけ: 学習の時間を促す、進み具合を聞く。
    • サポート: 分からないところを、一緒に考える。
    • 連絡: 先生・塾・教材の事業者との、やりとり。

    全部を、一方が担わない。 役割ごとに、分担を決める。

    2. 教材の種類と、向き不向き

    種類 特徴 向く場合 注意点
    学校の宿題・ドリル 費用が少ない。学校の内容に沿う 学習習慣づくり 保護者の見守りが必要
    通信教育(紙・タブレット) 自宅で、自分のペースで学べる 基礎の定着、習慣づくり 続かないことがある。保護者の関与が必要
    オンライン教材(AI・動画など) 自分のペースで進められる。苦手に戻れる教材もある 学年にとらわれずに学び直したい 画面の時間。子どもの集中力。続けやすさ
    塾・家庭教師 人が教える。質問できる 個別の指導が必要 費用・送迎・相性

    どれが正解ということはない。 子どもの状況と、家庭の事情で、選ぶ。

    3. オンライン教材を選ぶときの6つの視点

    ① 学び方:学年に合わせるか、本人の理解度に合わせるか

    教材によって、学年に沿って進むものと、理解度に合わせて、さかのぼって学べる(無学年式など)ものがある。つまずきの原因が、前の学年にあるときは、後者が向くことがある。

    ② 保護者の関わり方

    教材が、保護者の関与をどこまで想定しているかを確認する。保護者が、毎日付き添うタイプか、進み具合を確認するだけのタイプか。自分の家庭が、どこまで関われるかに合わせる。

    ③ 続けやすさ

    勉強が続かない原因は、教材だけではない。1日の学習時間の目安、ゲーム性、ごほうびの仕組みなど、子どもが続けやすい工夫があるかを見る。

    ④ サポート体制

    分からないときに、質問できる窓口があるか。学習の進み具合を、保護者が確認できる仕組みがあるか。

    ⑤ 料金と、契約の条件

    • 月額か、一括か。
    • 入会金・教材費は、かかるか。
    • 解約の条件・時期。
    • 無料体験・資料請求があるか。

    金額が、「家計の中で、続けられる範囲」かを、先に確認する。→ 夫婦で固定費を見直す順番

    ⑥ 子ども本人の気持ち

    最後は、子どもが、続けたいと思えるかである。体験の機会があれば、親が決めるのではなく、子どもと一緒に試す。

    4. 家庭での役割分担の例

    役割 例
    管理(予定の把握) 平日は母親、休日の予定の確認は父親
    声かけ 日替わりで、夕食後に、進み具合を聞く
    質問対応 得意な科目ごとに分担する
    契約・お金の管理 家計の管理者が担当する
    先生や事業者との連絡 夫婦のどちらかが、窓口になる

    重要なのは、固定することではなく、見直す日を決めておくことである。子どもの成長や、家庭の状況に合わせて、変える。

    5. 避けたいこと

    • 夫婦の一方が、勉強の責任を、全部引き受ける。 負担が偏ると、関係に影響する。
    • 子どもを、きょうだいや他の子と、比べる。
    • 叱ることで、やらせる。 勉強が、苦痛と結びつく。
    • 「必ず成績が上がる」という、宣伝を鵜呑みにする。 効果の感じ方は、子どもによって異なる。
    • 不登校・発達特性などの心配がある場合に、家庭の努力だけで抱える。 学校、自治体の教育相談、専門機関に相談する。

    教材を試すときは、無料の体験・資料請求から

    教材は、子どもに合うかどうかが、使ってみないと分からない。契約の前に、無料の体験や資料請求で、子どもと一緒に確かめるのが先になる。

    オンライン教材の一例に、「すらら」(株式会社すららネット)がある。学年にとらわれず、さかのぼったり、先へ進んだりできる「無学年式」の教材で、小学生から高校生までの5教科に対応している(広告主の案内による)。料金、契約の条件、体験の有無は、公式サイトで確認してほしい。効果の感じ方には、個人差がある。


    [PR] すらら(株式会社すららネット)

    まとめ

    • 子どもの勉強の見守りは、毎日の仕事であり、夫婦の負担が偏りやすい。目標・子どもの気持ち・分担を、先に夫婦で決める。
    • 教材は、種類ごとに向き不向きがある。オンライン教材は、学び方、保護者の関わり方、続けやすさ、サポート、料金、子ども本人の気持ち、の6つの視点で選ぶ。
    • 役割を分け、固定せず、見直す日を決める。
    • 子どもを比べない、叱ってやらせない、宣伝を鵜呑みにしない。

    家事・育児全体の分担は、子育て負担バランスでも確認できる。

    ※本記事は一般的な情報であり、個別のサービスを推奨するものではありません。この記事は、監修者の阿部泰尚が内容を確認しています(監修範囲は監修者紹介をご覧ください)。